経皮毒
結論から言ってしまえば人体に影響があるのかないのか私自身判断がつきません。
なので肯定も否定もしません。わかり得る現状をご紹介したいと思います。
それを踏まえた上で皆さんご自身の判断で行動していただけたらと思います。
「シャンプーや化粧品の成分が皮膚から吸収されて体に溜まってしまう」
「粘膜は吸収力が高く危険」そんな“経皮毒”という言葉を耳にしたことはありませんか?
実はこの言葉、科学的にはほとんど根拠がないって知っていましたか?
その一方で、口の中や鼻、膣などの“粘膜”は皮膚より吸収しやすいというのは医学的に正しい事実です。
今回は、この2つを正しく理解するためのシンプルなまとめです。
■ そもそも経皮毒って本当にあるの?
一言でいうと――
経皮毒という概念は、医学的には認められていない。
理由はとてもシンプル。
皮膚は鉄壁のバリア
肌の表面にある「角質層」は、水も油も通しにくい特殊な構造。
薬でさえパッチで貼っても少ししか吸収されないほど、強力です。
つまり、
「化粧品の成分がどんどん体内に入って蓄積する」
という話は、科学的には裏付けがありません。

■ じゃあ“口の中・鼻・膣”はなぜ吸収されやすいの?
ここが誤解されやすいポイントですが、実は体の部位によって吸収力は全く違います。
粘膜は角質層がほぼない
→ 皮膚よりはるかに薄い
→ 血管がすぐ下にある
そのため、
- 舌の下に置く「舌下錠」
- 鼻に噴霧する薬
- 膣に入れる座薬
など、粘膜は“吸収のために活用される場所”でもあるのです。
つまり、
経皮毒は根拠が薄い
でも、粘膜が吸収しやすいのは科学的な事実
というのが正しい理解になります。
■ “吸収される=毒になる”ではない理由
吸収されると聞くと怖く感じますが、ここが重要ポイント。
市販の化粧品・歯磨き粉・ボディケアは安全基準が非常に厳しい
→ 粘膜に触れる可能性のある製品は特に厳格
→ 蓄積するような成分は使用されていない
たとえば良く話題になる「ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)」。
- 刺激はある
- 泡立ちは良い
- 刺激が苦手な人がいる
しかし、
体内に蓄積する“毒”ではない
ということは毒性学的に明らかになっています。
■ 本当に気にすべきなのは“毒性”ではなく“刺激性”
じゃあ避ける必要はないの?
人によって避けた方がよい場合もあります。
- 乾燥肌・敏感肌
- アトピー傾向
- 皮膚バリアが弱い状態
SLSは洗浄力が強いので、
乾燥を招きやすい → かゆみ・炎症の原因にはなり得ます。
皮膚が弱い方は避けた方がよいでしょう。
■ そういう人は、よりマイルドな界面活性剤に変えた方が快適
- コカミドプロピルベタイン
- ラウロイルメチルアラニンNa
- デシルグルコシド
など。
日常生活で肌や粘膜を守るうえで大切なのは、
刺激の強さ
✔ 使用頻度
✔ 肌質・粘膜の強さ
です。
特に口の中は粘膜が弱いので、
- SLSで口内炎がしみる
- 香料が強い歯磨き粉でピリッとする
- アルコール入りのマウスウォッシュで荒れる
などの反応が出ることがあります。
これは「毒性」ではなく「刺激性」の問題です。

■ 健康的に選ぶためのポイント
● 皮膚
- 洗浄力が強すぎないものを
- 保湿重視
- 敏感肌ならマイルドな界面活性剤が安心
● 口・鼻・膣など粘膜
- 刺激成分が少ないもの
- アルコール強めのものは避けたい
- SLSが合わない人は避けるのが無難
特に粘膜ケアは“快適さ”が最優先です。
おすすめの製品は?
SLSなど合成界面活性剤を使用しない製品はどうしても泡立ちが悪いなど使いにくさも目立ちがちです。
私が使用して使いやすいと感じたのは太陽油脂のこちらの製品です。
シャンプー

リンス

はみがき

ボディソープ
■ まとめ
- 経皮毒という言葉は科学的根拠が薄い
- 皮膚は鉄壁のバリアで、ほとんどの成分を通さない
- 一方、口腔内・鼻腔・膣などの粘膜は吸収しやすい
- しかし、日用品は安全基準が厳しく、通常使用では「毒」になることはない
- 気にするべきは「毒性」より「刺激性」
- 肌質・粘膜の状態に合わせて“優しいもの”を選ぶことが大切
不安を煽った情報をそのまま信じるのではなく、
“部位ごとの特性”と“科学的な事実”を知ることで、毎日をもっと安心して過ごせます。


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