ファスティングは本当に体にいいのか?慎重派が考える“断食との正しい距離感”

健康への道

近年、ファスティング(断食)は「デトックス」「若返り」「痩せる」といった魅力的なワードと共に広まりました。しかし一方で、ファスティングは本来“難病治療の一環として研究されてきた方法”であり、誰にでも万能ではないという事実も見逃せません。

私はこれまでにさまざまな健康法を見てきましたが、正直なところ、ファスティングについては“慎重に扱うべきもの”だと感じています。
むしろ、一般の人が安易に取り入れることで老化が進んだり、不調を招いたりするケースもあります。

今回は、あえてファスティングに慎重な立場から、その理由と安全な代替策を整理してみます。

※先にファスティングを否定も批判もしません。本当に必要な人には大切な方法であるという前提で話を進めます。


ファスティングは元々「治療目的」で発展した

ファスティングというと美容目的のイメージが強いですが、もともとは

  • てんかん
  • 代謝異常
  • 難治性疾患
    など、特定の疾患を対象とした医療介入として研究されてきました。

効果としてオートファジーのような細胞修復機能が注目されていますが、それも臨床条件下での作用が中心であり、一般の人が数日断食しただけで劇的な変化が起きるわけではありません。

この点を知るだけでも、ファスティングとの向き合い方は大きく変わります。


一般の人がファスティングで感じやすいデメリット

1. 筋肉量の低下による“老け見え”

断食中はタンパク質摂取が不足し、筋肉が分解されやすくなります。
筋肉が落ちると

  • 代謝が落ちる
  • 体がしぼむ
  • 姿勢が悪くなる
    と、見た目の老化につながる要素が一気に増えます。

特に30代以降は筋肉減少スピードが上がるため、影響は軽くありません。


2. コルチゾールが上がって老化が進みやすい

空腹状態が続くと体はストレスを感じ、コルチゾール(ストレスホルモン)が上昇します。
これは

  • 炎症を促す
  • 肌の再生を遅くする
  • ホルモンバランスを乱す
    など、“老化リスク”に直結します。

ストレスの多い現代人には特に負担が大きいポイントです。


3. 低栄養によるミトコンドリア機能低下

断食が長引くと、体のエネルギー工場であるミトコンドリアの機能が落ち、

  • 疲れやすさ
  • 代謝の低下
  • 肌のハリの減少
    などにつながることもあります。

若返るどころか、逆効果に感じる人が出る理由はここにあります。


慎重派の立場からの“提言”

私は、ファスティングには慎重に向き合う必要があるという立場です。

ファスティングをしなくても、健康や美容に良い効果を得られる方法はたくさんあるからというのが理由です。
むしろ、食べる量を減らしすぎることで、ホルモンや代謝の不調を引き起こすリスクの方が気になります。

特に女性は空腹ストレスに敏感で、ダイエット停滞や月経周期への影響が出ることもあります。


ファスティングの“代わりに”効果が出る現実的な方法

ファスティングのメリットを“リスクなしで得たい”なら、次の方法が安全で効果的です。

1. 夜遅くに食べない(腸の休息)

22時以降の食事を控えるだけで、胃腸の負担が大幅に減ります。

2. タンパク質をしっかり摂る

筋肉を守ることが、代謝と若々しさの基礎。

3. 発酵食品を取り入れる

腸内環境を整える効果は、断食よりも再現性が高い。

4. 炭水化物を極端に減らさない

極端な糖質制限とファスティングの組み合わせは不調の原因になりやすい。特に普段の食事でお米をしっかり食べることは重要と考えます。

こちらの記事も参考にしてみてください。運動する人以外にもおススメです。

5. 睡眠の質を上げる

オートファジーは「しっかり食べてしっかり寝る」だけでも働くことが分かっています。


ファスティングは“必要な人がする専門的な方法”

もちろん、医師の管理のもとで行われる治療的断食は有効なケースがあります。
しかしそれは、専門家が体調と血液数値を見ながら行うもの

私たちが美容目的で真似する必要はないし、むしろリスクの方が大きいと考えます。


まとめ:慎重な距離感で、健康的な選択を

ファスティングには魅力もありますが、一般の人が安易に始めるにはリスクがあります。
そして何より、断食をしなくても健康も美容も作れるという事実を忘れないことが大切です。

「しっかり食べて、必要なところだけ整える」
そんな現実的で続けやすい健康法がおススメです。

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